漢検3級の四字熟語|二字を書く出題形式と例の一覧

漢検

四字熟語と聞くと、意味を選ぶ問題や、ことわざのような難しい語を思い浮かべるかもしれません。漢検3級で求められるのは、それとは少しちがう力です。問題文の中にある四字熟語の半分がカタカナになっていて、そこを漢字で書きます。では、どんな語が、四字のうちどこを書く形で出るのでしょうか。

ポイント

漢検3級の四字熟語は、文中の四字熟語のカタカナ部分を漢字二字で書く問題で、2点×10問の20点です(公式の問題例)。マークシートではなく手書きの記述なので、読めるだけでは点になりません。前半の二字を書く問題と後半の二字を書く問題の両方が出ます。

文中の四字熟語のうち二字を漢字で書く

漢検3級の四字熟語は、2点×10問の20点です。公式の問題例(2026年度第1回)では、次のような形で出ています。

センキャク万来で目が回るほど忙しい。

線の引かれた「センキャク」を漢字に直し、答案用紙に「千客」と二字を書きます。四字熟語の問題はマークシートではなく、手書きで答える記述の問題です。

問題例の10問で問われた二字は、次のとおりです。太字が答えにあたる部分です。

四字熟語読み意味
千客万来せんきゃくばんらい客が次々に来て絶え間ないこと
独断専行どくだんせんこう自分だけの判断で勝手に物事を進めること
電光石火でんこうせっか動きが非常にすばやいこと
時代錯誤じだいさくご考え方ややり方が時代に合っていないこと
異体同心いたいどうしん体は別々でも心は一つであること
免許皆伝めんきょかいでん師が弟子に技をすべて伝え授けること
無我夢中むがむちゅうほかのことを忘れて一つのことに熱中すること
勇猛果敢ゆうもうかかん勇ましく、思い切って物事を行うこと
神出鬼没しんしゅつきぼつ自由自在に現れたり消えたりすること
思慮分別しりょふんべつ物事を深く考え、正しく判断すること

前半の二字を書く問題が5問、後半の二字を書く問題が5問でした。四字の並びを知っているだけでは足りず、どちらの二字を問われても書けるかどうかが点を分けます。

もう一つ、記述の問題は書き取りと同じ基準で採点されます。公式の採点基準では、筆画を正しく、はっきり書いた字だけが採点の対象で、くずした字や乱雑な字は対象外です。「鬼没」の「没」や「果敢」の「敢」のように、読めるけれど書くと迷う字が混ざっています。

4級・準2級とは、書く字数と意味の問題がちがう

四字熟語はどの級でも出ますが、問われ方は級によって変わります。同じ回(2026年度第1回)の公式の問題例でくらべると、次のようになります。

級配点問われ方
4級20点(2点×10問)四字熟語の一字を漢字で書く
3級20点(2点×10問)四字熟語の二字を漢字で書く
準2級30点(書き取り2点×10問、意味2点×5問)一字を漢字で書く問題に加えて、意味に合う四字熟語を選ぶ問題がある

4級から3級に上がると、書く字が一字から二字に増えます。一方、意味を選ぶ問題は、この問題例では準2級から出ています。3級の四字熟語では、意味を問われるより先に、二字を正しく書けることが求められます。

もっとも、意味がわからなくてよいわけではありません。問題文の中で使われているので、意味を知っていれば「セッカ」が「石火」だと文の流れから思い出せます。意味は、書くための手がかりとして持っておくと役に立ちます。

公式の審査基準では、3級は「四字熟語を理解している」、準2級は「典拠のある四字熟語を理解している」とされています。準2級の例として挙がっているのは「驚天動地」「孤立無援」などです。3級の基準には「典拠のある」という条件がついていないので、故事を知っているかより、日常の文章で使う語を書けるかが中心になります。

3級の漢字で書ける四字熟語の例

問題例のほかに、3級で書けるようにしておきたい四字熟語の例を、意味つきで並べます。どの語が出るかは回によって変わるので、出題の予想ではなく、3級の四字熟語の程度をつかむための例です。

人の行動や態度を表す四字熟語

四字熟語読み意味
一石二鳥いっせきにちょう一つの行動で二つの利益を得ること
自業自得じごうじとく自分の行いの報いを自分が受けること
自由自在じゆうじざい思うままに何でもできること
大器晩成たいきばんせい大きな人物は、遅れて大成すること
意気投合いきとうごう互いの気持ちや考えがぴったり合うこと
我田引水がでんいんすい自分に都合のよいように物事を進めること
刻苦勉励こっくべんれい苦しみに耐えて努力すること

状況や様子を表す四字熟語

四字熟語読み意味
一触即発いっしょくそくはつ少し触れただけで爆発しそうな、危うい状態
危機一髪ききいっぱつほんのわずかな差で危険に陥りそうな状態
異口同音いくどうおん多くの人が同じことを言うこと
半信半疑はんしんはんぎ半分は信じ、半分は疑っている状態
五里霧中ごりむちゅう見通しがたたず、どうしてよいか迷うこと
一進一退いっしんいったいよくなったり悪くなったりすること
変幻自在へんげんじざい現れたり消えたり、自由に変化すること

物事の判断や評価を表す四字熟語

四字熟語読み意味
以心伝心いしんでんしん言葉にしなくても気持ちが伝わること
一刀両断いっとうりょうだん物事をすっぱりと決断・処理すること
言語道断ごんごどうだんもってのほかで、言葉にならないこと
前代未聞ぜんだいみもんこれまで聞いたことのない珍しいこと
本末転倒ほんまつてんとう大事なことと、ささいなことを取り違えること

インターネット上の「漢検3級の四字熟語」の一覧には、「臥薪嘗胆」「不撓不屈」のように、常用漢字にない字をふくむ語が混ざっていることがあります。3級は常用漢字のうち1,623字が対象なので、こうした字を書かせる問題は3級の範囲の外です。一覧を使うときは、級の対象漢字に合わせて作られた問題集のものを使うほうが確実です。

20点を勉強全体のどこに置くか

3級の合格ラインは200点満点の70%程度で、140点です。四字熟語の20点は、10ある分野のうち配点が中くらいの分野にあたります。

項目3級
合格基準200点満点の70%程度
検定時間60分

20点の分野は、ほかに熟語の構成と対義語・類義語があり、3つ合わせると60点になります。落とせるのは60点ほどなので、この3つを後回しにしたまま本番を迎えると、それだけで余裕がなくなります。逆に、四字熟語だけを先に固めても、40点ある書き取りや30点ある読みの代わりにはなりません。

四字熟語は二字の書き取りなので、書き取りの練習と同じ時間にまとめて進められます。問題集で四字熟語の問題を解き、まちがえた語は四字すべてを書けるようにしておくと、前半と後半のどちらを問われても答えられます。

分野ごとの勉強の順番と、四字熟語をいつ始めるかは、勉強法の記事にまとめています。

漢検3級の勉強法|過去問で今の点を測ってから、問題集1冊を回す順番漢検3級の勉強は、過去問を1回解いて140点との差を測る→問題集1冊で書き取り・読み・同音同訓異字を固める→過去問を3〜5回分解く、の順番で進めます。試験まで2週間を切ったときの組み立ても。

過去問で分野ごとの点を出して、どこに時間を回すかを決める手順は次の記事にあります。

漢検3級の過去問|自己採点の基準と、点が伸びないときの見直し方漢検3級の過去問は、公式サイトで最新1回分の問題と標準解答が無料で手に入ります。200点のうち130点は手書きの記述なので、公式の採点基準で厳しめに自己採点し、分野ごとの失点から見直す所を決めます。