ITパスポートの難易度|社会人・学生・業務別の合格率で見る

ITパスポート

国家試験と聞くと、IT知識のない人には遠いものに感じられます。ところが、ITパスポートの受験者の大半は、IT系ではない仕事の社会人と学生です。合格率は毎年5割前後で、半分は受かり、半分は落ちています。

では、受かる半分と落ちる半分は何がちがうのでしょうか。IT知識があるかどうか、と考えたくなるところですが、公式の統計を見ると、その差は思ったほど大きくありません。

ポイント

合格率は令和7年度で48.6%で、ここ数年は5割前後です。社会人50.9%・学生41.0%で、IT系の業務についている人と、そうでない人の差は5ポイントほどしかありません。IT知識の有無より、3分野それぞれで足切りの300点を超える準備ができるかで決まる試験です。

合格率は毎年5割前後で、社会人と学生では差がある

IPA(情報処理推進機構)の統計では、ITパスポートの合格率はここ数年、5割前後で動いていません。

年度受験者数合格者数合格率
令和7年度(2025年度)271,352人132,012人48.6%
令和6年度(2024年度)273,905人134,617人49.1%
令和5年度(2023年度)265,040人133,292人50.3%
令和8年度(4〜8月)92,634人45,700人49.3%

年に27万人ほどが受けて、13万人ほどが受かっています。合格率が毎年ほとんど変わらないのは、受験者が多いことに加えて、出題された問題の難しさをふまえて点数を出す採点方式(下で説明します)をとっていることも関係していそうです。

受験者を社会人と学生に分けると、合格率に差が出ます。

区分(令和7年度)受験者数合格率
社会人209,165人50.9%
学生(全体)62,187人41.0%
うち大学生36,646人48.0%
うち高校生13,878人24.9%
うち専門学校生5,527人23.8%

高校生・専門学校生の合格率は2割台です。学校で団体受験をする人がふくまれるため、自分で受けようと決めた人だけの数字ではありません。自分から受けると決めた社会人や大学生なら、5割前後を目安にしてよさそうです。

IT系の業務についていても、合格率は5ポイントほどしか変わらない

社会人の受験者を、ふだんの業務で分けた数字もあります。

業務(令和7年度・社会人)受験者数合格率
IT系の業務(システム企画・開発・運用など)の小計27,400人54.8%
IT系以外の業務の小計181,765人50.3%
うち営業・販売(IT関連以外)38,927人41.9%
うち総務・人事14,355人53.0%

IT系の業務についている人でも、合格率は5割台半ばです。IT系以外の業務の人との差は5ポイントほどしかありません。仕事でITにふれているかどうかより、試験に向けた準備をどれだけしたかのほうが、結果を分けていると読めます。

合格基準は「総合600点」と「3分野それぞれ300点」の両方

合格するには、次の2つを両方満たす必要があります。

  • 総合評価点:1,000点満点中600点以上
  • 分野別評価点:ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のそれぞれで、1,000点満点中300点以上
分野出題される内容出題数
ストラテジ系経営戦略・マーケティング・財務・法務など35問程度
マネジメント系プロジェクト管理・システム開発の進め方・システム監査など20問程度
テクノロジ系ネットワーク・セキュリティ・データベースなど45問程度

試験は120分で100問、すべて4つの選択肢から1つを選ぶ形式です。採点に使われるのは92問で、残りの8問は今後の出題のための試しの問題です。どれが試しの問題かは、受験者にはわかりません。

ここで見落としやすいのが、分野別の300点です。総合で600点を超えていても、どれか1分野が300点に届かなければ不合格になります。問題数の多いテクノロジ系で点を稼いで、20問程度のマネジメント系を捨てる、という作戦はとれません。

もう一つ、「何問正解すれば合格」とは言えないことも知っておくと、過去問の点数を読みまちがえずにすみます。採点はIRT(項目応答理論)という方式で、問題ごとの難しさをふまえて評価点を出します。正解した問題の数がそのまま点数になるわけではありません。過去問で6割を取れたら合格ライン、という見方はあくまで目安です。

独学で受かるかは、IT知識より「用語に慣れる時間」を取れるかで決まる

ITパスポートの問題は、深い技術の知識を問うものではありません。出てくるのは、ITや経営の用語の意味と、その用語が仕事のどんな場面で使われるかです。用語を知っていれば解ける問題が多く、知らなければ選択肢を見てもわかりません。

そのため、独学で進めやすいかどうかは、次のような条件で変わります。

  • 進めやすい人:ニュースや仕事で「クラウド」「個人情報保護法」「KPI」などの言葉を聞いたことがある。テキストを読んで、知らない言葉を調べながら進められる
  • 時間がかかる人:IT用語も経営用語もほとんど聞いたことがない。テキストの1ページに知らない言葉が何個も出てくる
  • 注意したい人:計算問題(2進数・確率など)がとても苦手。計算問題は多くないので後回しにしてもよいものの、テクノロジ系の点が伸びにくくなる

時間がかかる人でも、受からないわけではありません。最初の数週間は、用語に慣れるための時間として見ておく必要がある、ということです。勉強時間の目安は、IT知識の程度によって大きく変わります。

ITパスポートの勉強時間|1日の時間から受験日がわかる早見表ITパスポートの勉強時間は、IT用語になじみがなければ100〜180時間、仕事でITにふれていれば50〜100時間が目安です。1日30分・1時間・2時間で何か月かかるかの早見表と、受験日の決め方をまとめました。

ITパスポートはCBT方式(パソコンで受ける試験)で、年間を通じて全国の会場で随時実施されています。受験手数料は7,500円(税込)です。準備ができた時期に受験日を決められるので、紙の試験のように「次の試験日まで何か月」と待つ必要はありません。

なお、IPAは2027年度から情報処理技術者試験の制度を新しくする予定で、ITパスポートの出題範囲の案とサンプル問題も公表されています。2026年度中に受けるなら、今の形式(120分・100問)で受けることになります。

まとめ

合格率5割前後という数字だけを見ると、運しだいの試験にも見えます。ところが、IT系の業務についている人とそうでない人の合格率の差は5ポイントほどでした。結果を分けているのは、IT知識があるかどうかより、3分野それぞれで足切りを超える準備ができたかどうかです。

IT用語にほとんどなじみがない方は、最初に用語に慣れる時間を見ておくと、途中で計画が崩れにくくなります。どの順番で進め、過去問をいつ始めるかは、勉強法の記事で整理しています。

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