簿記3級の難易度|統一試験とネット試験の合格率の差

簿記

簿記3級は、お金の知識がゼロの人でも受けられる、いちばん入口の資格として紹介されることが多い試験です。それなのに、合格率は半分に届きません。ネット試験でも4割前後で、紙の統一試験では3割台の回が続いています。

入口の資格なのに、なぜ半分以上が落ちるのか。合格率の数字を方式ごとに見ていくと、どこで差がつく試験なのかが見えてきます。

ポイント

合格率は、紙の統一試験で30%台(2026年6月は33.8%)、パソコンで受けるネット試験で40%前後(2025年度は40.8%)です。100点満点中70点以上で合格する試験で、受験資格はありません。簿記の知識がなくても独学で受かりますが、暗記だけでは解けず、仕訳のしくみを理解する時間を最初に見ておく必要があります。

合格率は統一試験で30%台、ネット試験で40%前後

簿記3級には、決まった日に紙で受ける統一試験と、テストセンターのパソコンで随時受けるネット試験があります。日本商工会議所が公表している合格率は、次のとおりです。

統一試験(紙)実受験者数合格者数合格率
第173回(2026年6月)14,359人4,854人33.8%
第172回(2026年2月)17,140人5,757人33.6%
第171回(2025年11月)16,648人5,743人34.5%
第170回(2025年6月)18,935人8,024人42.4%
第169回(2025年2月)21,026人6,041人28.7%
ネット試験受験者数合格者数合格率
2026年4〜6月64,183人28,546人44.5%
2025年度276,477人112,797人40.8%
2024年度254,433人98,235人38.6%

統一試験の合格率は、回によって28.7%から42.4%まで動いています。ネット試験は年度ごとの数字で、40%前後でほぼ安定しています。

受験者の数も大きくちがいます。2025年度のネット試験は約28万人、統一試験は1回あたり2万人前後です。今は受験者の大半がネット試験を選んでいます。

統一試験のほうが合格率が低い理由は、公式には示されていません。ただ、どちらの方式も試験時間・合格基準は同じで、出題の範囲も同じです。合格率の数字だけを見てネット試験を選ぶより、受けたい時期に受けられるかで方式を選んだほうが、準備の計画は立てやすくなります。

合格基準は70%以上で、3題すべてが仕訳の理解につながっている

試験の形は、統一試験もネット試験も同じです。

項目内容
試験科目商業簿記
出題3題以内
試験時間60分
合格基準70%以上(100点満点中70点以上)
受験料3,300円(税込)。ネット試験は別に事務手数料550円(税込)
受験資格なし

70点という基準は、ほかの受験者の出来に関係なく決まっています。周りが全員できていても、70点を取れば受かります。

ここで知っておきたいのが、簿記3級は用語を覚えるだけでは点にならない試験だということです。3題は、取引を記録する仕訳の問題、帳簿への記入の問題、決算の表(貸借対照表・損益計算書など)を作る問題に分かれますが、どれも仕訳ができることが前提になっています。仕訳のしくみがわからないまま、帳簿や決算の問題だけを練習しても、答えにたどり着けません。

試験時間が60分しかないことも、点数に影響します。仕訳を考えながらでなければ書けない段階だと、最後の決算の問題まで時間が足りなくなります。合格率が半分に届かない理由の一つは、ここにあると考えられます。

独学で受かるが、最初の1〜2週間は仕訳のしくみに使う

簿記3級は、独学で受かる人の多い試験です。市販のテキストと問題集がそろっていて、商工会議所のサイトにはサンプル問題も公開されています。

独学で進められるかは、次のような条件で変わります。

  • 進めやすい人:テキストを読んで、例題を自分で解き直しながら進められる。わからないところを、テキストの解説や動画で調べられる
  • 時間がかかる人:「借方」「貸方」のように、ふだん使わない考え方になじむまでに時間がかかる。ここで止まると、そのあとの帳簿や決算の問題に進めない
  • 気にしなくてよいこと:計算そのものは足し算・引き算・かけ算が中心で、電卓を使えます。数学が得意かどうかは、あまり関係しません

最初の1〜2週間は、仕訳のしくみをつかむための時間として見ておくと、途中で止まりにくくなります。仕訳がわかると、帳簿や決算の問題は、仕訳の結果を表にまとめる作業として理解できるようになります。

勉強時間の目安は、50〜100時間ほどとされることが多く、1日1時間なら2〜3か月です。幅が出る理由と、試験日から逆算した期間は、勉強時間の記事でまとめています。

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まとめ

簿記3級の合格率が半分に届かないのは、範囲の広さより、仕訳のしくみを理解しないと3題のどれにも進めないところに理由がありそうです。統一試験は30%台、ネット試験は40%前後という差はあるものの、試験の形と合格基準は同じです。

初めて簿記にふれる方は、最初の1〜2週間を仕訳に使う前提で計画を立てると、合格率の数字ほど遠い試験ではありません。何から始め、問題集や過去問をいつ使うかは、勉強法の記事で整理しています。

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