「仕訳って何?」「借方・貸方の向きがいつもわからなくなる」という方に向けて、簿記3級の仕訳問題の解き方をわかりやすく解説します。仕訳は簿記の基本中の基本で、第1問の配点は45点と全体の約半分を占めます。仕訳をマスターすることが合格への最短ルートです。
- 仕訳とは何か・なぜ必要か
- 借方・貸方の基本ルール
- 勘定科目の5グループと覚え方
- 仕訳問題を解く手順と実例
- よく出る仕訳パターンと間違えやすいポイント
仕訳とは何か
仕訳とは、会社でお金が動いたとき(取引が発生したとき)に、その内容を「借方(左側)」と「貸方(右側)」に分けて記録することです。
たとえば「現金で商品を仕入れた」という取引なら、「商品が増えた(左)・現金が減った(右)」と記録します。この記録を積み重ねることで、最終的に財務諸表(決算書)が作られます。
仕訳は日本全国共通のルールに従って行われるため、ルールさえ覚えれば誰でも同じ仕訳ができるようになります。
借方・貸方の基本ルール
仕訳は必ず「借方(左)」と「貸方(右)」の2つに分けて記録します。
| 借方(左) | 借方(左) |
|---|---|
| 勘定科目 金額 | 勘定科目 金額 |
重要なルール:借方の合計金額=貸方の合計金額
仕訳では必ず左右の金額が一致します。これが簿記の大原則「貸借平均の原理」です。
勘定科目の5グループを覚える
仕訳を解くカギは「どの勘定科目がどちら側に来るか」を判断することです。そのために、まず勘定科目を5つのグループに分類して覚えましょう。
| グループ | 増えるとき | 減るとき | 例 |
|---|---|---|---|
| 資産 | 借方(左) | 貸方(右) | 現金・売掛金・建物・備品 |
| 負債 | 貸方(右) | 借方(左) | 買掛金・借入金・未払金 |
| 純資産 | 貸方(右) | 借方(左) | 資本金 |
| 収益 | 貸方(右) | 借方(左) | 売上・受取利息 |
| 費用 | 借方(左) | 貸方(右) | 仕入・給料・支払利息・水道光熱費 |
この表を丸ごと覚えることが仕訳マスターの第一歩です。
資産と費用は「増えたら借方(左)」、負債・純資産・収益は「増えたら貸方(右)」と整理すると覚えやすいです。
仕訳問題を解く手順
仕訳問題は以下の手順で解くことで、ミスを減らせます。
①取引を「何が増えて何が減ったか」に分解する
まず問題文を読んで、この取引で何が増えて何が減ったかを整理します。
例:「現金10,000円で商品を仕入れた」
- 商品(資産)が増えた → 借方に「仕入 10,000円」
- 現金(資産)が減った → 貸方に「現金 10,000円」
②勘定科目のグループを確認して借方・貸方を決める
増えたもの・減ったものをグループ表と照らし合わせて、借方・貸方のどちらに書くかを決めます。
③金額を確認して記入する
借方と貸方の金額が一致しているかを確認してから記入します。
実例で練習:よく出る仕訳パターン
パターン①:現金で商品を売った
「商品20,000円を現金で売り上げた」
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 現金 | 20,000 | 売上 | 20,000 |
現金(資産)が増えた→借方。売上(収益)が増えた→貸方。
パターン②:掛けで商品を仕入れた
「商品15,000円を掛けで仕入れた」
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 仕入 | 15,000 | 買掛金 | 15,000 |
仕入(費用)が増えた→借方。買掛金(負債)が増えた→貸方。
パターン③:買掛金を現金で支払った
「買掛金10,000円を現金で支払った」
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 10,000 | 現金 | 10,000 |
買掛金(負債)が減った→借方。現金(資産)が減った→貸方。
パターン④:給料を現金で支払った
「給料50,000円を現金で支払った」
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 給料 | 50,000 | 現金 | 50,000 |
給料(費用)が増えた→借方。現金(資産)が減った→貸方。
間違えやすいポイントと対策
①「仕入」と「買掛金」の混同
商品を掛けで仕入れたとき、「仕入(費用)」と「買掛金(負債)」の2つの科目が登場します。「仕入れた=買掛金」と混同しがちですが、仕入れた商品の金額は「仕入」、代金の未払い部分が「買掛金」です。
②「売掛金」と「売上」の混同
掛けで商品を売ったとき、代金の未収部分が「売掛金(資産)」で、売った商品の金額が「売上(収益)」です。
③「備品」と「消耗品費」の違い
長期間使う机・パソコン等は「備品(資産)」、短期間で使い切るボールペン等は「消耗品費(費用)」です。
④ひっかけ問題:「本日〜」に注意
問題文に過去の取引の経緯が書いてあっても、仕訳するのは「本日の取引」だけです。「〜だったが、本日〜」と書いてある場合は、「本日」以降の内容が解答の対象です。
⑤部分点はない
簿記3級の仕訳問題は、勘定科目と金額の両方が正解でないと得点になりません。「勘定科目は合ってるのに金額を間違えた」は0点です。ケアレスミスに注意しましょう。
仕訳の練習方法
| 練習方法 | 特徴 |
|---|---|
| テキストの練習問題 | 基礎固めに最適。1章ずつ進める |
| 問題集の仕訳問題 | 繰り返し解いてパターンを身につける |
| スマホアプリの一問一答 | スキマ時間に仕訳感覚を維持する |
仕訳は毎日少しずつ解くことで感覚が身につきます。1日10〜15問を継続することが合格への近道です。
まとめ
仕訳は「何が増えて何が減ったかを5グループに当てはめて借方・貸方に分ける」というシンプルなルールで解けます。最初は借方・貸方の向きで迷いますが、勘定科目グループ表を手元に置いて毎日練習することで自然と身につきます。最初の2週間を乗り越えれば一気に解きやすくなるので、焦らずコツコツ続けましょう。勉強法や試験全体の対策については、以下の記事も参考にどうぞ。


